■NMNのがん抑制効果について
NMNはアンチエイジングサプリメントとして愛用されているもので、動物体内の細胞の老化抑止の効能があるとされている物質です。様々な学術研究でNMNを我々が摂取することにより、体内でNADニコチンアミド・アデニン・ジヌクレオチドの生成量が上がり、これが体内に7つあるとされる長寿遺伝子、サーチュイン遺伝子を活性化することが言われています。
これは老化細胞がサイトカイン由来の炎症によって引き起こされる多発性硬化症、炎症性脈疾患、心臓病、糖尿病、認知症の発生を抑える効果がありますが、細胞の働きに作用し、細胞の癌化を抑える効果もあることが最近分かってきました。
がんは突然タンパク質の生成過程に誤作動が生じ、DNAが正しいアミノ酸と結合せず予期しないタンパク質が生まれてしまうことで発生します。これには細胞の老化現象も深く関わっており、細胞の末端部分にあるテロメアが細胞の癌化を引き起こす最大の要因になっています。体内細胞は通常、癌化を防ぐためにテロメラーゼのスイッチは切っています。このテロメラーゼという物質はテロメアの長さを長くし細胞の老化を阻止する酵素ですが、国立研究開発法人がん研究センター、東北大学大学院医学系研究科の共同研究グループによって細胞の癌化に関わる機能があることが明らかにされました。CDK1という分子がテロメラーゼをリン酸化することでスイッチが入り、細胞が癌化するのがテロメラーゼの癌化メカニズムです。またテロメアが短くなることでも細胞の癌化リスクが上がります。テロメアが短くなるとDNAが剥き出しの状態となり損傷を受けます。その修復の時に別の染色体と結合する可能性があり、この結果ゲノムが不安定になり癌化するというメカニズムで癌が発生します。
これをNMNは細胞の老化防止と若返りを通して防いでいるのです。NMNは我々が生きている間にも体内で常に作り出され続けますが、加齢で生成量は減少します。そしてその現象によって老化現象が進むことが研究により指摘されています。そのため外部からNMNを取り込むことによってより多くのNMNからNADを作り出し、体内の長寿遺伝子であるサーチュイン遺伝子のさらなる生成促進から細胞の老化を阻止し、老化由来の癌の発生を抑制しています。