■NMNの抗老化作用について

NMNは近年、老化や寿命研究の最前線で注目を浴びている抗老化成分です。

様々な研究者がNMN「ニコチンアミド・モノヌクレオチド」の抗老化作用について研究しており、若返りに関係する物質だとされています。

ただし、NMNが直接的に抗老化や若返りの作用を持っているということではなく、あくまでも身体のエネルギー代謝に必要なNAD(ニコチンアミド・アデニンジヌクレオチド)という物質を補佐する成分だということです。

NADは若い頃は体内で十分に生成されるために若々しい身体を保つことが出来るのですが、加齢によって体内のNMNの量が減少してしまうので、減った分を補完する形で摂取しなければいけません。

最も良いとされているのは食物によって体内に摂取するという方法なのですが、NMNを食物から摂取するには食物の量が尋常ではない量となってしまうために、サプリメントなどで補ってあげるのがオススメです。

 

■マウス実験での抗老化作用

NMNの抗老化作用について注目を浴びるようになった理由は、アメリカのワシントン大学に在籍する今井眞一郎教授が発表した論文にあります。

この論文の中では、「NMNが抗老化作用に効果がある」という内容が記載されていて、当初の実験ではマウスを用いたものでした。

約1年間の臨床試験の結果としてマウスの代謝が増えていて、加齢によるエネルギー代謝の低下や糖尿病リスク、心不全・腎不全リスクなどが軽減されているという結果が発表されました。

 

■2016年には人間を対象とした臨床試験を開始

今井眞一郎教授を中心とした研究グループは2016年から健康な男性10人を対象としてNMNが人間に対して安全に投与できるかどうかという臨床研究を始めました。

その結果として、NMNは安全に投与が可能であるということと、投与した量に応じて体内で代謝されているということを確認しています。

こちらの研究は加齢に伴って生じる疾病の予防や治療に役立つことが期待されていて、2019年の11月には日本医学会の機関紙でもある「Endocrine

 Journal」にも掲載されました。

 

■まとめ

人生100年時代と呼ばれて久しいですが、肝心なのは平均寿命ではなく健康でいる期間を表す健康寿命でしょう。

NMNは抗老化作用や疾病の予防や治療などを促すことが出来る成分として、これからの研究に期待が持てる成分となっています。