■NMNと遺伝子について
NMN(ニコチンアミドモノヌクレオチド)は、体内のサーチュイン遺伝子を活性化して細胞を若返らせる抗老化や長寿に必要な物質として、最近特に注目されています。
サーチュイン遺伝子は長寿遺伝子として知られるようになってきていますが、ヒトには7種類あることが分かっています。ところがこの遺伝子は普段は眠っているのです。サーチュインはNAD+という補酵素を取り込んで活性化しますが、このNAD+のもととなるのがNMNです。
NMNはビタミンB3の中に含まれる物質で、アボカドやトマト、ブロッコリー、フルーツ、タネ類などにもごく微量に含まれます。NMNは元来生き物の細胞内で生成されますが、哺乳類の場合は加齢によってNMNの生産性が低下していくため、細胞の老化が進むことになります。
また、ミズーリ州セントルイスにある米ワシントン大学医学部の今井眞一郎教授は、mugendaiインタヴュー内で『サーチュイン遺伝子は、生物の老化や寿命を制御するサーチュインたんぱく質を作り出し(遺伝子の発現)、身体の様々な機能の根源的な制御に使われている。』ことを発見したと語っています。
これまでの研究から、サーチュイン遺伝子が活発に活動するためにはNADが欠かせないもので、老化制御においてはサーチュイン遺伝子とNADが脳の視床下部で活性されることが重要であると分かってきています。
サーチュイン遺伝子が持つ酵素活性は「NAD+依存性タンパク質脱アセチル化酵素」といい、NAD+を使って染色体のヒストンに作用することで、遺伝子のオンオフや様々なたんぱく質を活性化させる機能を持ちます。
サーチュイン遺伝子が作り出すたんぱく質は「特殊な脱アセチル化酵素」と言われてます。この特殊な脱アセチル化酵素は様々な遺伝子の発現を制御するスイッチとして働き、さらにその酵素活性が生体のエネルギー代謝に連動しているのです。
細胞内のミトコンドリアのサーチュイン遺伝子とNAD+の結合により、細胞内のミトコンドリアが増加し、細胞の活動に必要なエネルギーのATPを作り出します。ミトコンドリアのオートファジー機能により、細胞内で古くなったミトコンドリアや異常なたんぱく質を除去することで細胞の若さを保てるのです。
また、「LIFE SPAN」(老いなき世界)の中で、デヴィッド・A・シンクレアは、NMNを摂取すると2~3時間後にNADが25%上昇した、と述べているように、NMNを摂取することはサーチュイン遺伝子を活性化する為に必要なことなのです。